熱気あふれる会場内

11月19日、民進党栃木県連は宇都宮市内にて「第2回民進党とちぎ政策研究会」を開催した。

執筆活動やテレビ番組など幅広い分野で活躍中の慶應義塾大学経済学部・金子勝教授が「原発に依存しない社会の構築 再生可能エネルギーで農家を地方を元気にする!」と題したユーモアと鋭い舌鋒まじる講演を行い、参加者約100名を最後まで講話に引き込んだ。

金子氏は、主題に入る前に現在の政局に触れ、「安倍首相は議会制民主主義を壊しにかかっている」、森友・加計問題についても「行政も立法も司法も破壊し始めている」と危機感をにじませた。

民進党については、負けた総括をしなかったこと、政策を積み上げられなかったことが敗因とし、「人々の暮らしがどう変わっていくかを語るべきだ」と注文した。

「地方はどんどんやせ細り、犠牲を強いられ、こういう状況の中で市民が動いて政党を動かすようになってきている」と政党の在り方の変化についても言及し、「地域から新しい政治が生まれてくる時代になると思う」と今後の方向性を示した。

原発問題について「日本経済がどうして衰退してきたのか、この流れと重ね合わせながら考えてほしい」。

最初に考え方を示した金子氏は、世界中で分散型エネルギーの流れになっている今、原発に依存するわが国の方針に疑問を投げかけるとともに、このままでは日本の産業や経済の未来をも左右しかねることになり、結果として国際競争の波に置いていかれると危惧する。

原発の問題点として、産業の構造転換への遅れと、諸問題に対する無責任体制の2点を挙げたうえで、「新しい産業を育てていかないと産業や科学技術の流れを衰退させ、国民の生活が成り立たなくなる」と案じた。

福島県の現状についても触れたうえで、「今、そこで生きている人の立場に立って、どうしたらもっと解決できるのか、日本の最新環境技術を使えばどこまで解決できるのか、真剣に考えることが必要だ。それがまた日本の技術を育てていく」と力を込めた。

講演する金子勝教授

講演する金子勝教授