11月1日(土)、民主党栃木県連は「集団的自衛権行使容認に断固反対する県民集会」を宇都宮市内で開催した。
福田昭夫県連代表は、集団的自衛権行使容認について「国民が知らないことが多くある。同じ情報を共有し、共通理解を是非、深めていただきたい」と主催者を代表し当集会の意義を語った。
また、「安倍政権が進める“いつでも戦争ができる国を作る”を絶対許してはならない。断固阻止するため皆様の力をお借りしたい」と約300名の参加者に協力を求め、集会がスタートした。
急きょ会場に駆け付けた海江田万里民主党代表は、前日に日本銀行が追加金融緩和を決定したことにふれ、「皆さんの生活が豊かになるかといえばむしろ逆。円が安くなれば物価が上がり、ますます国民が苦しむことになる」と指摘。円売りを加速させることに繋がるこの決定に「日本の国民の生活にとって禁じてを使ってしまった」と訴えた。
同じく年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が株式に運用する比率を上げたことにも言及し、「株をなんとか上げ、黄色信号が灯っているアベノミクスをみせかけだけで進めるようにしている」と切り捨てた。
海江田代表は集団的自衛権行使容認について、「決定する手続きを重視することが民主主義の大原則」と前置きしたうえで、今回の閣議決定は「国民の声を全く聞かないどころか、国民を無視した手法をこのまま押し通させるわけにはいかない」と国民不在の決定方法に憤りを示した。
さらに、中身にも大きな問題があると指摘。歴史を否定する安倍政権に対し「大変危険な政権」とし、「民主党は野党として、今国民がどういう心配をしているのか受け止めて国会で発言していく」と安倍危険政権と真っ向から論争に挑むことを誓った。
基調講演には孫崎享氏(東アジア共同体研究所所長、元防衛大学校教授、元外務省国際情報局長)が登壇。『日本発・戦場行の安倍暴走列車を止めるべし!集団的自衛権行使が導く危険な行く末』と題し熱弁を振るった。
孫崎氏は1941年の真珠湾攻撃が、当時、国民の声を聞かずに強権でもって政策を進めたことがきっかけであったことを引き合いにし「今日の安倍政権が行おうとしていることは、第二次世界大戦以降、日本の最大の危機になっている」と警鐘を鳴らした。
また、“自国民を守るため”として起きたこのような攻撃が、二度と起きないように定められたのが『国連憲章』であると説明。
ところが現在、安倍総理がひた隠しに推し進める集団的自衛権の行使は、武力攻撃が発生した場合にのみ行使すると謳う『国連憲章』とは全く異なるものであると訴えた。
加えて法律を担う国の中枢の一つである『内閣法制局』の歴代長官2名が「日本の防衛には基本的に関係ない」と述べていることに触れ、孫崎氏は「集団的自衛権とは自国防衛ではなく、他の国を守る権利である」と言い切った。
“人道支援”“経済支援”の名のもとに戦地に赴き、結果、多くの命が失われている実態を踏まえ、「安倍総理の国民を間違った方向に導く明々白々の嘘を見破らなくてはならない」とした。
孫崎氏は、「平和のために私たちが真剣に考える時にきている」と喚起。現在、意図的に平和国家から脱却しようとしている安倍政権に対し、「本当に日本の国を思うならまだ許せるが実態は違う。集団的自衛権は自国防衛でない。他衛権である。他の国を守るための権利を拡大する、こんなばかげたことをなぜやらなくてはならないのか」と訴え、講演を締めくくった。
そのほか集会では『集団的自衛権行使容認を断固許さない決議』の採択や、参加者全員での容認阻止に向けた『ガンバロウ三唱』を行った。
なお、当集会は民主党栃木県連主催『第6回民主党とちぎ政策研究会』とセットで開催した。