9月27日、民主党栃木県連は宇都宮市内において第3回となる『民主党とちぎ政策研究会』を開催した。
今回は、柴田明夫さん((株)資源・食糧問題研究所 代表)が「もう当たり前じゃなくなる食糧・エネルギーの安定供給?!危機的状況に突入した日本の対策」と題し、講演を行った。
柴田代表は、丸紅(株)、丸紅経済研究所を経て現在に至る。農林水産省の政策審議会や研究会の委員も務める食糧・エネルギー問題について研究する第一人者である。
柴田代表は、2011年以降、日本の貿易赤字が続いていることにふれた。理由として資源の高騰を挙げ、これらは一過性の上昇ではなく、大国・中国の需要拡大や後進国の台頭、さらには中東・北アフリカの地政学的リスク・急激な人口増が要因していることを紹介。
食糧の輸入にあたっては、今後、トウモロコシや小麦、大豆の主要品目について日本と競合する恐れもあると指摘した。
これらの事態は結果として、日本がこれまで追求してきた『3つの安定(価格)(品質)(供給)』が脅かされることになると懸念。
柴田代表は、「日本は(食糧の)不足と過剰が併存していることが問題だ」とし、今後の国内の資源・エネルギー戦略を考えるうえで『国内資源のフル活用』を提案した。
農業であれば、単に農地をフル活用するということだけではなく、水資源や人材の確保を行うことで地域コミュニティの活性化に繋がるというもの。
また、本県についても話が及び、「大市場に隣接し、水資源にも恵まれているが有効に使われていない。もう一度地域を見直していく時が来ている」と提言した。
資源価格を大きく引き下げることは難しい現状を踏まえ、省エネや代替エネルギー等への対応が必要であるとともに、柴田代表は「『成長戦略』よりもまずは『安定』を求めるべき。1次産業とくに農業・農村地帯の安定が重要」と説き、このことは結果的に包容力が大きくなるとした。