講演する山口義行教授

9月13日、民主党栃木県連は宇都宮市内において第1回『民主党とちぎ政策研究会』を開催した。当会は政策について学ぶ場、さらには県民と対話しながらともに政策的課題について研鑽を積むことを主目的とし、全8回で企画された研究会。

記念すべき第1回は、山口義行さん(立教大学経済学部教授)が「地域活性化なくして日本活性化なし 地域のパワーは中小企業から!」と題し、参加者約100名に講演を行った。

山口教授は、経済危機やバブル問題に関するスペシャリストであり、テレビ等でのコメンテーター等も多く務める。また、中小企業の連携活動支援にも精力的に関わり、現在は、『スモールサン(中小企業サポートネットワーク)』主宰者として活動を全国展開している。

山口教授は、アベノミクスが進むにつれて中小企業の経営はますます厳しくなると指摘。この厳しい時代を生き抜くためには“読む力”“問う力”“つなぐ力”の3つが必要であると説いた。
また、「この3つの力の中でも“読む力”が最も大事」とするも、「テレビ等から出される情報は、言論統制された内容であることを認識しなければならない」とし、自身の体験談をもとに「現在の日本は自由にものが言える社会から遠ざかっている」と警鐘を鳴らした。

さらには、政府・与党が進める成長戦略は株価対策でしかないと切り捨てた上で、来年度から導入予定の『法人税減税』や『外形標準課税』のからくりと実態をわかり易く解説。導入後、しわ寄せの多くは中小企業が受けることを危惧するとともに、これらの実態があまり理解されていないことを憂慮した。
結果として経済力が落ち、地域が疲弊するこれらの政策について、「これらの政策をストップさせるために、最初にしかけるべきは民主党だ」と語り、各議会等での反対決議を積極的に行うべきとした。

山口教授は、日本の景気経済の回復・向上は、中小企業の再生なくして望めないとし、具体的事業展開のひとつとして『隣接異業種』を提唱。これは、本業に近い分野で、ノウハウやマーケットが生かせる異業種のことを指し、本業とかけ離れていないので、リスクを抑えて新たな事業展開が狙えるというビジネスモデル。
全国の経営者がこの発想をもとに事業を拡大させ、地域活性化にも繋がっていることを紹介した。

講演後、参加者(会社経営)は「アベノミクスのまやかしが良く分かった。また経営の考え方を後継者や地元の仲間たちにも伝えたい」と語った。

講演する山口義行教授

講演に聞き入る参加者

主催者代表あいさつする福田昭夫県連代表

司会・進行を務める松井正一県連幹事長