自治体議員フォーラム栃木および連合栃木議員懇談会共催により、11月1日から2日にかけて会員9名が参加し、県内外5か所の視察を行った。
まず始めに訪れたのは、大田原市佐良土にある「栃木県水産試験場」。この施設は、県特産魚の増殖や養殖を積極的に増進することと、さらにこれらの地域資源や生産物を有効活用することを目的に試験研究を行っている。
参加者は、栃木県水産試験場で養殖魚生産技術により開発した「ヤシオマス(大型ニジマス)」の説明を受けた。ヤシオマスは、卵を持たないため、成熟による劣化が少なく、周年安定した品質で出荷できることが特徴。
また、ミヤコタナゴ等の希少魚の生息状況の調査や、放射線セシウム汚染状況モニタリング調査を行っている施設を見学した。

【説明を聞く参加者】

【研究施設の見学】

【希少魚ミヤコタナゴの調査施設】

次に、大田原市須佐木にある酒蔵を訪れた。栃木県では「とちぎの地元の酒で乾杯を推進する条例」を12月の県議会に議員提案、来年1月の施行を目指している。
今回、90年以上の歴史を持つ南部杜氏自醸酒品評会でも毎年素晴らしい成績を 収めている栃木県内でも有数な老舗酒造蔵の渡辺酒造で、蒸した米を冷やす放冷機や麹室やもろみなど、一連の作業工程を見学した。
渡辺酒造の先代は新潟県の出身であり、明治時代に那珂川町に蔵を間借りして財を得、その後、現在の大田原市に場所を移し、現在は5代目が杜氏となり酒造りをしている。朝日の昇る東側で興したことを銘柄に由来とする「旭興」は、水は軟水を使用し、お米は山田錦など4種類を使い分けて造られており、多くの方に愛され続けている。

【渡辺酒造にて酒造の見学】

茨城県大子町にある「山田ふるさと農園」に移動。山田ふるさと農園は、町への定住促進および町有遊休地の利活用、地域の活性化を推進することを目的とし、町所有の一部を16区画に整備し、農園付きの住宅用地として20年間無償で貸与されている。
居住条件は大子町外に住所をおくおおむね65歳以上の方で、現在は、16区画中14区画に居住。
その中の千葉県から移住してきたご夫婦に、趣味で陶芸をしている工房や作品を見せていただいた。
地域での暮らしやすさについて伺うと、「不便さは感じないが、引っ越してきた当初は地元の方との交流が難しく、お互い接触はなかった」と振り返ったが、現在は、「ふるさと農園に地元の方をご招待する形で農業や陶芸、趣味を通じて親睦が深まっている」と、満足そうだった。

2日目は袋田の滝を見学。華厳の滝、那智の滝とともに日本三大名瀑に挙げられ、冬には氷瀑と呼ばれる滝が凍結する現象が見られる。昨年は6年ぶりに全面凍結したとのこと。観瀑トンネルや観瀑台との設備整備費5億円はすべてチケット収入で賄われた。

次に、茨城県水戸市にある茨城県立歴史博物館にて「はにわの世界」の展覧を見学。
栃木県内からも壬生町や小山市、真岡市の古墳から発掘された埴輪が展示されていた。

【山田ふるさと農園の視察】