民主党栃木県連内に組織する「自治体議員フォーラム栃木(代表:佐藤栄県議)」主催による県内外3カ所の視察を10月19日(金)-20日(土)に行い、会員19名が参加した。
再生可能エネルギーが注目を集める今、その一つに挙げられる地熱発電のしくみや発電されるまでの過程を学ぶため、一行が最初に向かった先は宮城県大崎市にある鬼首(おにこうべ)地熱発電所。
現在、国内9都道県18カ所ある地熱発電所の1つである当発電所は、1975年に運転開始され3,000kwを出力する。

地下約1,400m付近までボーリングし、天然蒸気を地上に噴出させる井戸(蒸気井)やこれら吸い上げた蒸気の力で電気を発生させるタービンや発電機を見学。
発電に使った蒸気や余った熱水を地表に放出・放流させると自然界への様々な影響が懸念されることから、井戸(還元井)を通じて地下に戻すことが行われる。当発電所では、蒸気井5本、還元井7本を使用していた。

参加者からの「想像以上に大がかりな施設だが、近隣住民との係わり方は?」「天然蒸気が枯渇することは?」の問いに、施設関係者は「運転開始以来、トラブルは一切ない。温泉街の方々はじめ近隣の皆様にはご理解をいただいているものと思っている。天然蒸気の枯渇は考えていない」と答えた。

【施設関係者から説明を受ける参加者】

次に向かった視察先は、栃木県那須塩原市の県有施設・那須野が原公園。
当公園は、今年8月、空間放射線量が高いことから県が芝生の広場約9haと土の部分約1haの除染作業を実施。具体的な作業として、芝生は1.5cm、土は3cmそれぞれ表面から削りとった。結果として、作業前0.94マイクロシーベルトあった線量が作業後0.39マイクロシーベルトに下がったとされる。
今回は、これら削り取った芝や土が大型土のうで保管されている状況や、養生のため立ち入り禁止となっている広場を視察した。

大量に保管されている削り取った芝や土を入れた大型土のう

養生のため立ち入り禁止となっている広場

最後に同市にある県畜産酪農研究センターを視察し、放射性物質に汚染された牧草・堆肥の処理保管状況やバイオガスプラントを視察。
併せて、放射性セシウム汚染牧草、堆肥および草地の除染について県関係者から概要説明をいただいた。

放射性物質に汚染された牧草・堆肥の保管現場

バイオガスプラント内、「消化液貯留槽」前にて