宇都宮市と芳賀町が整備を進めている次世代型路面電車(LRT)の導入ルートについて、宇都宮市は昨年11月、当初の導入予定ルートより大幅に変更した平石地区住民に対し、説明会を実施した。しかし、変更後のルートについて、地域住民から反発の声が多く上がっていることから、1月28日、民主党栃木県連および民主党・無所属クラブ(県議会派)、市民連合(宇都宮市議会派)は、現地視察および地域住民との意見交換を行った。
当初の導入予定ルートは、駅東側の鬼怒通りと並走し、新4号国道の高架をくぐり平石地区市民センター付近を通過することとしていた。しかし、柳田街道の交通渋滞を回避するため、当初ルートより南下させ平石中央小学校北側を通るルートへ変更となった。
地権者達は、(1)ルート沿線世帯の生活環境の悪化、(2)平石中央小学校周辺安全性の低下、(3)住人に対する行政の不誠実な対応、この3点を強く問題視しており、知事・宇都宮市長に対しても現地視察を要望したが、「未だ行政側からの対応は何もない」と憤った。
意見交換に参加した地権者は「子どもたちの登下校時の危険性が増すことが心配」と安全性を危惧する声や「学校の敷地が削られることなど、住民に計画内容が浸透していないにもかかわらず事業が進んでいる」と不安を口にした。
視察後、福田昭夫県連代表は「今回のルート変更には課題が山積している」と指摘。「突如のルート変更に地元の方々は戸惑っている。それにもかかわらず住民合意を得ないまま、事業が進行していることは遺憾である」と強調した。
宇都宮市は国土交通省に、軌道上の特許取得に向けて『軌道運送高度化実施計画』を提出している。民主党栃木県連は、これに対し同省へ特許申請を慎重に扱うことを求める要望書を2月上旬に提出する予定。
視察参加者:福田昭夫衆院議員、佐藤栄県議、斉藤孝明県議、松井正一県議、平木ちさこ県議、船山幸雄県議、中屋大県議、山田美也子県議、今井恭男宇都宮市議、中塚英範宇都宮市議、真壁英敏宇都宮市議、駒場昭夫宇都宮市議、山本正人宇都宮市議、落合誠記壬生町議、柏倉祐司秘書