5月8日、9日、民進党地方自治体議員フォーラムの「2017年度総会・全国研修会」が都内で開催され、全国から所属議員および友好議員ら約400名が参加した。
本県からも9名の所属議員が出席し、2日間にわたる全日程を精力的にこなした。

初日の総会では昨年度の各都道府県連における取組みが報告されるとともに、「『我々こそが民進党を支えている、私が民進党である』との自覚と自負を持って、議会で、街頭で、ひざ詰めで有権者の声に耳を傾け、日々の活動に寸暇を惜しんで各種活動に取り組む」とする活動方針案が採決された。

党代表あいさつで蓮舫代表は、党本部の運営に地方自治体議員の声が反映されるように地方自治体議員から党常任幹事を1人選出するよう規則を変更したことを報告した。
政策については、昨年12月に取りまとめられた「人への投資」を柱とする民進党の経済政策、作成中の原発ゼロ基本法案、さらには断固成立阻止の共謀罪などの内容に触れ、理解と協力を求めた。
今夏の東京都議会議員選挙については、「民進党として堂々と旗を掲げたいと思っている仲間に力を寄せていただきたい」と支援を求めた。
蓮舫代表は、「私たちがこれまで積み上げてきた個別具体的な政策に、皆さんの考えや提案をまとめていき、次の世代に責任を持てる政策集団を一緒になって作り上げていきたい」としたうえで、「自治体議員の皆さんは宝であり未来だ。皆さんと一緒に、何が何でも民進党がもう1回政権を担う政策集団になるための努力をしていく」と締めくくった。

全体講演では、井手英策慶應義塾大学教授が「尊厳ある社会保障へ-『頼り合える社会』の構想-」と題し、90分の講演を行った。
井手教授は、日本の現状について、1997年をピークに世帯収入が2割近く低下していること、格差が拡がり続けていること、そして格差是正の再分配は中間層の反発による分断社会を招いてしまうこと等をグラフを用いて解説した。そのうえで「自己責任社会はもはや機能不全に陥っている。成長を前提としないモデルが必要」と説いた。
全員に“サービス”を給付することで所得格差は是正でき、結果として経済も成長することを示した。
所得の公平さを求めるのではなく、尊厳を保障することの必要性を訴えた井手教授は、「みっともない社会を子どもに引き継ぐわけにはいかない」とし、「“頼り合える社会”の実現が必要不可欠である」と力説し、会場から大きな拍手がわいた。

翌日は8時から「民進党『FOR NEXT』推進地方自治体議員プロジェクト 結成総会」が開催された。
女性や子ども、非正規労働者など様々な困難に直面しながらもそれを乗り越えようとする人々、地域が持っているエネルギーを発揮して地域の新しい活性化に挑戦する人々などと語り合い、ともに考えながらその現実を一緒に変えていくことを目的とした『FOR NEXT』。本年の党大会において全国展開することが確認されていたが、今回改めて、地方自治体議員が中心となり、国民との共感を築くキャンペーンに成長させていくことが確認された。
この決定を受けて、栃木県連でも早速、このプロジェクトを立ち上げることとした。

本県の参加者

佐藤栄県議会議員、松井正一県議会議員、斉藤孝明県議会議員、加藤正一県議会議員、平木ちさこ県議会議員、今井恭男宇都宮市議会議員、中塚英範宇都宮市議会議員、大貫毅鹿沼市議会議員、落合誠記壬生町議会議員

2日間の主な研修等日程

5月8日(月)
〇2017年度地方自治体議員フォーラム 総会
〇全体講演1 「民進党が目指すもの」/大串博志氏(衆議院議員、党政務調査会長)
〇全体講演2 「尊厳ある生活保障へ-『頼り合える社会』の構想-」
/井手英策氏(慶應義塾大学教授)
〇全体講演3 「ハラスメント講習」/森山裕紀子氏(弁護士)

5月9日(火)
〇「民進党『FOR NEXT』推進地方自治体議員プロジェクト 結成総会」
〇第1分科会「エネルギー政策の今後の課題」
小山田大和氏(エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議事務局長)
〇第2分科会「すべては未来のために」
花井圭子氏(労働者福祉中央協議会事務局長)
渡辺由美子氏(NPO法人キッズドア理事長)
〇第3分科会「日本農業の分岐点-TPP以後の通商交渉と農業改革の行方-」
谷口信和氏(東京農業大学農学部教授)
堀口健治氏(早稲田大学政治経済学術院名誉教授)