10月29日(月)、民主党青年局北関東ブロック(所属県連:栃木県・埼玉県・茨城県・群馬県)は、栃木県連主催で「東京電力設備視察研修」を開催し、宇都宮市内の栃木給電所および日光市にある今市発電所、砥川発電所を視察した。
栃木給電所では栃木県内の電力設備のうち、27.5万V、15.4万V、6.6万V、3.3万Vの送電系統を担当している。
また、電力設備を監視する箇所(発電所・変電所・制御所)から送られてくる情報をもとに、電気の流れの変化を監視しながら、常に質の良い電気を安定かつ効率的に供給するため、24時間体制で電力系統の運用を行うと同時に、情報センター的な役割も果たしている。
次に、今市発電所および砥川発電所へ向かい現地視察を行った。
今市発電所は、栃木県西北部に位置し、日光市を流れる鬼怒川筋の砥川上流部に上ダム(栗山ダム)、下流部に下ダム(今市ダム)を設置し、この間の有効落差524mを利用して、最大出力105万kwの発電を行う国内でも最大の純揚水式発電所。105万kw発電すると7.2時間で上ダムの水は下ダムへ、揚水では、10時間で下ダムから上ダムへ移る。電気の使用量は昼間と夜間に大きな差があり、夜間の比較的電気を使用しない時間帯に揚水運転を、昼間の電気が多く使われるときに発電運転をしている。
揚水発電を活用することにより設備を無駄なく利用し、総合的に効率的な電気を安定して届けることができる。
一方砥川発電所は、今市発電所の今市ダムに流入する利根川水系砥川の水資源を活用し、約51mの有効落差を利用して発電を行う最大出力240kwのダム式水力発電所。年間発電電力量は、約100万kwhとなり、これによるCO2削減量は年間約350tを見込んでいる。
今回視察の説明を行っていただいた東電社員の皆様からは、「電力の安定供給」を果たすための責任感と使命感を強く感じた。
24時間安定的に電気が届くという社会を当たり前とせず、今後は節電や省エネに加え、エネルギー政策、原子力政策についてももっと議論を深めていかなければならいと痛感した。
10月28日(日)宇都宮市内にて、県連男女共同参画委員会主催「2012研修会」を開催した。
慶應大学経済学部の駒村康平教授を講師にむかえ「社会保障と税の一体改革-子どもたちにツケを残さないために-」と題した講演は、社会保障と税の一体改革だけでなく、ワークライフバランスも取り入れたわかりやすい内容だった。
冒頭、福田智恵男女共同参画委員長は「社会保障と税の一体改革の仕組みや問題点などに目を向けてほしい。そこから私たちが今後どう考え、どのように生活していくべきか。感じ取って、気づくことで将来を見直していけるような研修にしていきたい。」と挨拶。
およそ2時間におよぶ講演では、社会保障給付費の内訳や推移、財政の課題、制度改革についてグラフや統計に基づいて細かく説明があった。
とりわけ年金制度については「早急の改革が必要であるが、極めて難しい課題。年金制度の複雑さが国民の不安を助長としている。」とし、「年金改革の議論を政治的なパフォーマンスではなく協議を進めてほしい。」と要望した。
厳しい財政状況の中、日本は本格的な高齢化社会に突入する。社会保障給付費においても現在の約110兆円から2025年には約150兆円にまで増えると予測されている。
世の中の変化にあわせて、社会経済システムの改革に一刻も早く着手していかなければならないことなど、社会保障の全体像や今後の課題が明瞭に示された大変充実した講話であった。
また、今回の研修会ではNPO法人パパママおうえん隊の協力で、初めて託児室を設置した。子供連れの参加者からは「落ち着いて講演が聴けた」と好評であった。
民主党栃木県連内に組織する「自治体議員フォーラム栃木(代表:佐藤栄県議)」主催による県内外3カ所の視察を10月19日(金)-20日(土)に行い、会員19名が参加した。
再生可能エネルギーが注目を集める今、その一つに挙げられる地熱発電のしくみや発電されるまでの過程を学ぶため、一行が最初に向かった先は宮城県大崎市にある鬼首(おにこうべ)地熱発電所。
現在、国内9都道県18カ所ある地熱発電所の1つである当発電所は、1975年に運転開始され3,000kwを出力する。
地下約1,400m付近までボーリングし、天然蒸気を地上に噴出させる井戸(蒸気井)やこれら吸い上げた蒸気の力で電気を発生させるタービンや発電機を見学。
発電に使った蒸気や余った熱水を地表に放出・放流させると自然界への様々な影響が懸念されることから、井戸(還元井)を通じて地下に戻すことが行われる。当発電所では、蒸気井5本、還元井7本を使用していた。
参加者からの「想像以上に大がかりな施設だが、近隣住民との係わり方は?」「天然蒸気が枯渇することは?」の問いに、施設関係者は「運転開始以来、トラブルは一切ない。温泉街の方々はじめ近隣の皆様にはご理解をいただいているものと思っている。天然蒸気の枯渇は考えていない」と答えた。
【施設関係者から説明を受ける参加者】
次に向かった視察先は、栃木県那須塩原市の県有施設・那須野が原公園。
当公園は、今年8月、空間放射線量が高いことから県が芝生の広場約9haと土の部分約1haの除染作業を実施。具体的な作業として、芝生は1.5cm、土は3cmそれぞれ表面から削りとった。結果として、作業前0.94マイクロシーベルトあった線量が作業後0.39マイクロシーベルトに下がったとされる。
今回は、これら削り取った芝や土が大型土のうで保管されている状況や、養生のため立ち入り禁止となっている広場を視察した。
最後に同市にある県畜産酪農研究センターを視察し、放射性物質に汚染された牧草・堆肥の処理保管状況やバイオガスプラントを視察。
併せて、放射性セシウム汚染牧草、堆肥および草地の除染について県関係者から概要説明をいただいた。
10月13日(土)、民主党栃木県連は『人口減少社会における栃木県の地域活性化戦略』と題した勉強会を宇都宮市内で開催した。
講師として演壇に立った(株)日本総合研究所調査部 主席研究員・藻谷浩介さんの1時間半にわたる講演に、地方議員をはじめ約30名の参加者は熱心に聞き入った。
藻谷氏は、国内市町村の99.9%を巡歴し、地形・交通・産業・人口動態・通勤通学動態・郷土史等を詳細に把握。先入観や思い込みを一切除外し、誰でも入手できる様々なデータから読み取った数字をもとに比較、検証する講演内容は大変好評で、これまでの講演、パネラー、TV出演等は累計4,000回を超える。
この日の講演も具体的に栃木県内で起きている人口動態を細かく説明した上で、生産年齢人口の減少と高齢者の増加を示した。
結果的に生産年齢人口の減少が、経済縮小に繋がるとし対処策に次の3点を挙げた。
(1)生産年齢人口が減るペースを少しでも弱める、(2)生産年齢人口に該当する世代の個人所得の総額を維持し増やす、(3)生産年齢人口と高齢者の個人消費の総額を維持し増やす。
さらには、対日貿易で黒字となっている数少ない国を挙げ、これらの国を見習い、少量生産で高単価の地域ブランド商品の流通促進を図るべきとした。
加えて、高齢者の貯蓄やアジアで増える中上流階級層をターゲットとしたモノやサービスを売る商売への脱皮、中高年の退職に伴い減った人件費で若者の給与を上げ、女性を再雇用し、国内の内需を維持・高度化することが経済縮小への歯止め策であると講演した。
時折、参加者へのクイズ形式も交え、持論ではなく客観的なデータに基づいた細かな分析による藻谷氏の解説は、参加者全員を引き込み、納得させる内容であった。
民主党青年局北関東ブロック(所属県連:栃木県・埼玉県・茨城県・群馬県)は、7月のキックオフ会議にて各県単位で研修会等を開催するという活動計画を議決し、この決定に基づく協議の結果、初めての研修地を茨城県内としていた。
茨城県連は研修会を当県連主催の政治スクールと抱き合わせで行うこととし、10月7日(日)、土浦市で開催。本県と埼玉県の青年局メンバーが参加した。
政治スクールは、茨城県連青年局所属の議員と一般参加者約20名が受講しており、第1部では、元我孫子市長の福嶋浩彦氏が「市民自治と議会の役割」と題した講演を行った。
第2部は、北関東ブロック青年局代表の三神尊志さいたま市議が「会派におけるローカルマニフェストサイクル構築に向けて」を講演。
2011年11月に行われた『第6回マニフェスト大賞授賞式』にて、三神市議が所属する民主党さいたま市議団が『マニフェスト大賞グランプリ(地方議会部門)』を受賞し、ローカルマニフェストを策定するまでのPDCAサイクルの構築について詳しい説明があった。
どちらの講演も大変明瞭で充実した内容であった。講演後、参加した本県議員は、「我々の活動は市民との関わりや対話を重視し、議会を改革していくことであり、更には継続が肝要であるとあらためて実感した」と語った。
(本県参加議員:落合誠記町議、斉藤孝明県議)